◆一人心肺停止、一人不明 須走ルート
11月20日午前10時ごろ。富士山須走ルートの九合目付近で、10代の男子大学生から「富士登山中に滑落した。骨折したようで動けない」と110番があった。静岡県警が大学生を発見したが、心配停止のもよう。一緒に登っていた別の男性(64)も滑落し、行方が分かっていない。御殿場署によると、男子大学生は山口県の出身で、広島県の大学に通っているとみられる。午後5時ごろ、登山道から外れた七合目付近で発見された。もう一人の広島県の男性とは連絡がとれておらず、県警航空隊がヘリコプターで捜索したが見つからなかった。21日に捜索を再開する方針。
2人は広島、山口両県から訪れた6人組のパーティーで、午前6時ごろ、山梨県側の吉田ルート六合目から山頂へ出発。途中に登山道を外れ滑落したという。他の4人は自力で下山し、山梨県警が事情を聴いている。
◆富士山滑落の2人死亡 2016.11.22 山梨日日新聞
富士山須走ルートの九合目付近で20日に男性2人が滑落した事故で、行方不明となっていた広島市佐伯区美鈴が丘西4丁目、無職渡辺勝俊さん(65)が21日、山梨県側の吉田口7合目付近でみつかり、死亡が確認された。また静岡県警御殿場署は同日、2人のうち心肺停止状態だった1人は広島工業大に通う末本伊武樹さん(18)=山口県光市三井5丁目=で、死亡が確認されたと発表した。富士吉田署によると、渡辺さんは21日朝、吉田口7合目公衆トイレの南東側にある沢で見つかった。頸椎骨折などて死亡が確認された。
御殿場署によると、末本さんは20日午前10時ごろ、「登山中に滑落した。骨折したようで動けない」と自ら110番したが、その後さらに滑落。山頂の手前で先に渡辺さんが滑り、安全な場所に戻ろうとした末本さんも体勢を崩して滑落したという。末本さんは日本山岳会広島支部の学生クラブのメンバーで、渡辺さんは同支部の会員。同支部によると、2人は広島県内の20〜66歳の男性4人と富士山を訪れ、吉田口6合目から山頂に出発した。
山梨、静岡両県などが策定した富士登山ガイドラインは「万全な準備をしない登山者の夏山期間以外の登山は禁止」としている。同支部の担当者は「パーティーの登山計画書を受け取ったが、装備、経験に不足はなかったとかんがえている」と話した。
◆御殿場口でも男性遺体発見
21日午前7時50分ごろ、富士山の御殿場口登山道6合目と7合目付近で、地元消防のヘリコプターが30代とみられる男性の遺体を発見、収容した。静岡県警は、遭難者とみて、遺体の身元や詳しい死因を調べる。